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2026.02.19
みなさまこんにちは、ハイライフモナコ事務局のセレアです。
モナコは日中だとアウターが暑いと思うくらいの気温になってきましたが、それでも朝晩は冷えることも多いのでまだ防寒対策は必要そうです。みなさまのところはいかがでしょうか?
さて、今回は2025年9月に開催されたウィトック夫妻が懇意にしているフレンチのシェフ、ヤニック・アレノ氏が立ち上げた財団が主催するパーティーに参加した際のレポートですが、その前に、まずはこの財団ができた経緯を簡単に説明いたしますね。
アレノシェフは1番目の奥さんとの間に2人の息子さんがおり、長男のトマはイベント会社の経営者、次男のアントワーヌは父親のあとを追って料理人となりました。
ところが2022年に悲劇が訪れます。アントワーヌは料理学校を卒業した後にCheval BlancやLe Jules Verne(エッフェル塔内のミシュラン二つ星レストラン)で修行をし、2021年から父親と共同経営でパリの7区に「Burger Père & Fils(父と息子のバーガー)」をオープンさせました。すべてが順調に進んでいたのですが、2022年5月8日、夜11時過ぎにレストランを閉めて自宅へ帰ろうとスクーターに乗って信号待ちをしていたところ、後ろから120km/hで爆走してきた乗用車に跳ねられ、アントワーヌは頭を強く打ち、運ばれた病院先で死亡が確認されました。24歳でした。
実はこの運転手は、現場から2.5キロ先のレストランで車係を騙して高級車を盗難、飲酒かつ無免許運転で、将来有望な若者の命を奪ってしまったのです。運転手自身もアントワーヌと同じくらいの年齢で、それ以前も軽犯罪を繰り返す常習犯。事故後に徒歩で逃走しようとしたところを警察に逮捕されましたが、逮捕時の血中アルコール濃度は1.6g/L!これは酩酊極期というもので、判断力や運動力が鈍り千鳥足になるくらいのアルコール量。こんな人にアントワーヌの命を奪われたと思うと、彼の両親はどれほど無念だったか。
そして悲しみに暮れる中、アレノシェフと元奥様は息子の死を忘れないように、そして同じような状況の人たちを少しでも救えるように、と「アントワーヌ・アレノ・アソシエーション」を2022年7月に設立しました。
https://www.associationantoinealleno.fr/

写真右から3番目がヤニック・アレノ氏。木を挟んで隣が長男のトマ・アレノ氏、そして母親のイザベルさんです。
裁判が続いたのちに、2024年3月に懲役7年という判決が降りました。
「無実な若者の命を奪っておいて、たった7年?」
と思われるかもしれませんが、フランスの刑法では「殺人罪」ではなく「過失致死」の扱いとなり、複数の前科もフランスでは少しの上乗せ程度で、逆にフランス国内では「刑が重過ぎるのでは?」という見方もあったほどでした。
財団の活動効果もあり、2025年7月にはフランスで「道路殺人」という新たな法律のカテゴリー(懲役10年)を作ることに成功しました。しかし、それだけでは死亡事故は減らせないと思ったアレノ氏は、2025年の大晦日夜11時半に、新年を祝おうと数千人が集まるシャンゼリゼ通りの先にある凱旋門を「ハッキング」し(もちろんパリ市の協力のもと)、青くライトアップさせた上に2036年の文字を浮かび上がらせました。
これには、多くの人がハメを外す大晦日に、多量のアルコールやドラッグを摂取して最悪の事態を招く可能性があること(2026年に道路殺人をしたら、次に大晦日を祝えるのは2036年だよという意味)を伝えようとしたのでした。

簡単な説明をしようと思っていたのに、詳しく説明してしまって長くなってしまいました。ウィトックからのイベントのレポートは次回になります。ぜひお楽しみに!